地域コーディネーター養成講座

講座お申込み

お問い合わせ

活躍の現場

地域コーディネーターインタビュー

一覧

NPO法人北海道エンブリッジ(北海道) 浜中裕之さん

 

浜中裕之 Hamanaka Hiroyuki

1985年北海道留萌市生まれ。北海学園大学卒。小学生の頃から「教育」に興味を持ち、大学でも教職課程を履修しながら教師を目指す。しかしある時「このまま卒業していいのか」という思いが浮かび、大学2年の後期から広告代理店でのインターンシップに参画。主に営業とインターンシップコーディネートに従事し、企画や提案、サービスとして対価を頂くことを経験。学生と企業をコーディネートしていくなかで、インターンは「教育」につながる部分があると気付き、2006年に任意団体ピオネイロ代表就任。2012年6月にNPO法人化し、NPO法人北海道エンブリッジ設立。地域全体で若者の育成をしていく環境づくりを目指している。

 

 

★この仕事の面白さは、今まで見られなかった景色が見られること。

 

Q:そもそも、なぜ、地域コーディネーターのようなことをやりたいと思ったのですか?

小学生の頃から教育に興味があり、学校の先生になりたいと思っていました。大学では教職をとりながら遊ぶ毎日で、大学2年の後半にふと「このまま卒業して先生になっていいのか」という思いが出てきました。そこでゼミの先生に相談して、経営者の集まりを紹介してもらうようになり、様々な人に出会うにつれ「仕事って面白いな」と価値観が変わりました。だからこそ、大学生で僕と同じような気持ちを持った人たちに、こうした出会いは必要だと思うようになりました。

また紹介のなかで出会ったとある企業で、私自身もインターンシップを行いました。話のとおり、やはり仕事は面白かったし、それだけでなく仕事を通して社会を変えたい、今後は自分がやる側じゃなくてコーディネートする側になりたいと思うようになりました。この仕事の面白さは、学生の目の色が変わったり、企業も学生について考えるようになったり…今まで見られなかった景色が見られることです。挑戦しようとしている人を見るとエネルギーをもらえますしね。

【写真】NPO法人北海道エンブリッジの新入生向け説明会の様子。インターン中の先輩はもちろん、OBOGの先輩も参加して生の声を伝えています。

 

★インターン先の営業業務では失敗の連続。それが自身の成長につながった。

 

Q:どこで、どのくらい修行をしましたか?具体的な業務内容も教えてください。

先ほどもお話しましたが、大学2年生の後半からインターンを行い、半年間は広告営業、1年半はインターンシップコーディネートを行っていました。広告営業では主に飲食店を対象に飛び込みやアポとり、プレゼンなど、ノルマを達成しないといけない業務でした。その後のコーディネート業務もひたすら営業を行っていました。インターンシップの受入企業開拓のために、ホームページを調べてメールを送ったり、経営者交流会に出席して名刺交換したりということをひたすらやりました。数字にすると、300件以上は回ったと思います。決まったところは6~7社ほどでしたが、その後の学生とのマッチングやサポートまではすべて担当しました。実は決定した1社目が、初営業での獲得だったんです!だから内心「俺できるぞ」って思ってしまって…その後半年間は1つも獲得できない時期が続きました。そのときはかなり辛かったですが、「ここであきらめたら今まで回った100件が無駄になるな」と思って満身創痍で営業していましたね。上司も「できないことをやらないと成長しない」、「できなくてもいいから、やってみろ」と言って陰ながら応援してくれたのが心強かったです。

他には大学3年生のときに1週間東京にいって、ETIC.のイベントや企業営業への同行、学生面談の同席などをさせていただきました。大学4年後半~卒業1年後くらいまでは、半年に一回東京に行って集合研修を受けたり、個別支援をお願いしたりしていました。大学4年の後半にはひとりで団体を始めていて、今に至るので、学生時代のインターンシップが修行期間になりますかね。

 

 

★「できません」「やりません」と言ったら、そこで終わり。

 

Q:修行をするなら「他地域の団体で行う」という選択肢もあったと思いますが、地元・北海道にこだわり続けたのは何か理由がありますか?

もちろん東京に行くことも考えていました。まわりの人たちにも独立して続けることを反対されていましたし、大学4年次には、東京の某人材関連企業から内定をいただいていたので、大学4年の12月くらいまではずっと迷っていました。でも単純にやりたいことや力になりたい人たちが目の前にいるなかで、東京に行くのは違和感がありました。本当に修行をしたいなら、自分でコーディネーターをすることが一番ではないかと。「できません」「やりません」と言ったら、そこで終わりですから。考えれば考えるほど不安が襲ってきて、悩み疲れてしまったのもありますが(笑)自分の深い部分に向き合った時に、奥底の方にはやはり「やりたい」という気持ちがあったので「やってみよう!」と思いました。

 

Q:その修行を経て、今、地域で役立っていることはありますか?

全部役立っていますが、なかでも足を運ぶ姿勢は、修行期間の営業で身に付きましたね。インターン期間中でも200~300万円くらいは売上として出していたので、最悪自分で営業すれば何とかなるだろうと思っていました。悩んでいても始まらないので。あとはいろいろな業種の方と話をしていたので、ホームページを見るだけで、困っていることがだいたい掴めるようにはなりました。

 

Q:では、地域で課題に感じていることはありますか?

学生や企業さんと、どこまで深い話ができるかというのは課題に思っています。経営者の人と同じくらいの気持ちで入り込めているか、とか。どこまでも限界はないと思うので。コーディネートをする上で、インターンシップ以上の価値を提供できるかということは考えています。

 

★地域教育を通して、中学生や高校生の段階で、あつい思いを持ってほしい。

 

Q:ご自身の今後のキャリアに対する展望を教えてください。

もともと高校生向けにインターンシップをやりたいと思って、大学生の時にインターンを始めたのですが、学生時代は最初から最後まで大学生向けに行っていました。ですので、長期的には12歳から26歳位までのキャリア支援に取り組み、「仕事」に関わる地域教育をしていきたいと思っています。大学生のインターンシップとは異なる内容になるとは思いますが、でも接したり、触れ合ったり、対話したり、経験したり、という本質の面で必要なことは変わらないと思っています。中学生や高校生の段階で、深く経験したり対話したりする機会を持ってほしいなと。今も少しずつ取り組みはじめていますが、まずここ3年間は、新しいスタッフも採用して、大学生向けの長期インターンシップを札幌に根付かせることが目標です。今後はエリアも札幌だけでなく、帯広、函館、小樽など、北海道全体で挑戦できる場をつくっていきたいですね!

【写真】『第一回 Students x Media  創造セッション ZOO’』の様子。創造セッション ZOO’はゲストと大学生、そして場を運営する世話人で1つのテーマについて感じたことをシェアしあうイベント。第一回は「地域を応援しよう!」をテーマに「のこたべ」代表の平島美紀江さんをプレゼンターに開催し、平島さんの取り組みの一つ、女性にも日本酒を飲んでもらいたいという思いから企画・開発したお酒を、学生や女性にどうやったら飲んでもらえるかについてセッションしました。

 

(2013/5/29 取材)

 

団体名:NPO法人北海道エンブリッジ

HP:http://en-bridge.org/

住所:〒001-0011
北海道札幌市北区北11条西2丁目4番 みどり荘 201号室

TEL:080-3593-2234

FAX:011-613-0936