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特別対談  “地域コーディネーターという存在”

いま、地域では「自分で仕事を創っていける力、新しい領域を開拓していく起業家精神」を持ったが必要になってきています。また社会全体でもそうした次代の人材を育てる必要があります。

ここでは、地域に挑戦の場を創り、地域の仕掛け人たち、若者、様々な資源を繋いで新しい価値を創っていく地域コーディネーターの対談の様子を紹介します。

Q.地域コーディネーターとは?

宮城:

地域や社会の課題に向き合い、地域の仕事づくりや次の世代の担い手育成を実際に動き出そうとしている人が増えています。しかし、具体的にそのための行動を起こすための機会はまだ多くはありません。そんな中、私たちが2004年からチャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(略:チャレコミ)で取り組んできた、地域における実践型のインターンシップが全国に少しずつ広がり、若者たちが地域の仕事づくりの現場に入り始めています。各地域のコーディネーターたちが現場をつなぎ、若者と地域資源を繋ぎながら、地域の新しいチャレンジを生み出していくという動きが生まれているのです。

森山:

次の世代の仕事づくりや次の世代の担い手育成を実現するには、地域の様々なセクターの仕掛け人たちが意図や戦略をもって活動する必要があります。そうしたチャレンジができる場と機会をつくり、繋いでいくのが地域コーディネーターの役割です。また、地域コーディネーターは地域から日本を変えていく役割。各地域で動いていることを(能登の)周りに伝えていくことで「よし自分でも!」と思うように仕掛ける存在です。

秋元:

本当に地域を変えるなら、すむ人が増えることが大切。そして、そのためには働く場、産業を強くしないといけません。地域での仕事と若者をつなぎ、地域で若者が活きるまち・仕事づくりを目指しています。すべての街・会社・人に可能性が、活かされるべきものがあるとぼくは信じます。若者や地域の人たちを活かし、一緒にチャレンジする存在が地域コーディネーターだと考えます。

Q.今、地域で求められる人材や役割は?

宮城:

これまでの取り組みを通じて地域の仕事づくりという課題の解決に、若者の存在が大きなカギを握っているということが見えてきました。起業家精神を持ち、何かに依存することなく自立して行動していける力を持った若者たちは、これまで企業や行政がカバーしてこなかったニーズ、新しい困難な地域課題に挑戦し、それを解決していくことが可能だという事例がたくさん現れてきたからです。若者にとって、これまでの大企業のような終身雇用に身を任せられる時代はもはや存在せず、会社が生活や働きがいの保障をしてもくれるわけではありません。自分で仕事を作っていける力、新しい領域を開拓していく起業家精神が必要になってきますし、社会もそうした人材を育てる必要があるでしょう。

地域の地域コーディネーターという存在は、こうした若者のために挑戦の場を創り、様々な資源を繋いで新しい価値を創っていく役割を果たしますが、地域コーディネーターや若者以外の地域の各セクターも、それぞれが当事者意識を持って、自分たちの役割を担う必要があります。逆に言うと、地域のすべての立場の人が当事者になれるし、地域の仕事づくりを創造していく役割があるのだと考えます。

Q.起業家精神を持った人材を育てるには?

秋元:

ああなりたい、そう思える身近な憧れ、ロールモデルの存在。そしてやったらできるんだという自己効力感を育む成功体験を得る機会。さらに、身近でみて真似て、学ぶ師匠というべき兄貴分や、思いを共有し励まし合う仲間たち。こうした機会・環境を通じて起業家精神は育まれるのでは、と考えます。

森山:

私自身は、地域に対して真剣に働きかける大人たちを身近に見ていたので、自分もこの生まれ故郷のまちづくりに携わりたいという想いを抱くようになりました。地域の具体的な課題に対して真剣に取り組んでいる現場に身を置くことが、起業家精神を育むことにつながると思います。「誰かがやってくれる」ではなく「自分がやらなきゃ」という想い。これは、実際に起業をするかどうかは関係なく、それぞれの場所での役割を果たしているという感覚があるかどうかにかかっています。

Q.地域コーディネーターの仕事の面白さ、チャレコミの魅力とは?

秋元:

地域には魅力ある人や企業がたくさん存在しているんだっていう実感が、まず喜び。ただ、それを担い磨く人が少ないんですよね。魅力ある資源がたくさんあることに気づき、若者の目の色が変わる瞬間に立ち会うのがたまりません。ああ、だからこの仕事は辞められない。そんな気持ちです。

森山:

圧倒的な「つながり力」がチャレコミの魅力だと思います。地域の中で繋がりが生まれ、さらに全国の地域における取り組みとの切磋琢磨や情報交換の中で、仲間がいるという感覚、ここから日本が変わっていくんだ、その一端を私たちも担っているというワクワク感に溢れています。

 

秋元祥治(NPO法人G-net/代表理事)(岐阜県岐阜市)

2001年G-net設立。2004年より「チャレンジ・コミュニティ創出プロジェクト」(経済産業省後援)に第1期に最年少で参画。日本初となる中小地場産業での実践型インターン事業を展開。また地域課題解決を担う起業家育成事業や小口助成ファンドなどを東海3県で取り組む。岐阜大学等との協働カリキュラムも実施。

 

森山奈美((株)御祓川/代表取締役)(石川県七尾市)

能登地域で10年以上続く民間まちづくり会社として「小さな世界都市・七尾」の実現に向け、まちを育て、みせを育て、人を育てる。2009年より能登地域における長期実践型インターンシップ事業「能登留学」を展開。これまでに約170人の大学生が同地域や事業者の課題解決プロジェクトに参画。金沢大学など複数大学との連携カリキュラムも実施。

 

宮城治男(NPO法人ETIC./代表理事)

1993年ETIC.設立。1997年から日本初起業家型人材を育成する長期実践型インターンシップをスタート。これまで2500人が参画し150人以上が起業家・創業メンバーとして活躍。2001年からは社会起業家支援事業、2004年から「地域の起業力」を高め、活力ある日本を創るために「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト」をスタート。

 

こちらの事例は以下の雑誌に掲載されています。

インタビューや事例紹介の他にも全国から厳選した14の事例やコラムを掲載。
書籍の購入、お問い合わせは下記をご覧ください。

 

好きなまちで仕事をつくる‐大学生・若手社会人編‐2012‐

[チラシ] http://challenge-community.jp/award2012/adressthesmile2012.pdf

発行:チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト

制作・デザイン:南の風社